眼精疲労の怖さ

眼精疲労とは何なのでしょうか。

眼病ではないが、目の痛み、視力低下、肩凝り、頭痛、体の各部のだるさをはじめ、倦怠感、無力感、神経症など目や体の各部に悪影響をきたす状態

これが眼精疲労です。

眼精疲労には結膜炎や角膜炎などが原因でおこる症候性眼精疲労や、目の周辺の筋肉異常が引き起こす筋性眼精疲労がありますが、圧倒的に多いのは調節性眼精疲労です。

現代は、近くのものを長時間見続けることが多くなっている時代です。

テレビ、パソコン、スマホ。

少ない人でも1日に3時間、多いと10時間以上これらの画面とにらめっこしています。

これらの画面と長時間接することでなぜ調節異常が起こるのでしょうか

人間の目はカメラにたとえられることが多いですが、目には角膜と水晶体という2枚のレンズがります。

一番外側にあって黒目の表面部分を覆うのが角膜、その内側、虹彩のすぐ後ろにあるのが水晶体、そして光の取り入れ加減を調節するカメラの絞りの役割を果たすのが瞳孔、フィルムにあたるのが網膜です。

目から入った光は、まず角膜というレンズを通過して瞳孔を通って、水晶体に達します。

ここでピントが合い、眼の奥にあるスクリーンに像を結びます。

この情報が脳に伝わり、映像として認識されるのです。

これが見るということです。

瞳孔は、光を眼の中に取り入れるための小さな穴で、その周囲を取り囲む虹彩が伸縮することによって同行自身が大きさを変え、絵の中に入ってくる光の量を調節しています。

さらにもう一つのレンズにあたる水晶体は凸レンズの形をしていますが、近くを見るとき、この水晶体は厚くなり、遠くを見るときには薄くなります。

この水晶体を調節して網膜に像を結ばせる働きをするのが、水晶体の周りを取り囲む毛様体という組織です。

この毛様体の筋肉が伸びたり縮んだりすることで、ピントが調節されています。

パソコンやスマホの画面を長時間じっと見つめていると、視点は近くの一点に固定されてしまいます。

すると毛様体筋が伸縮を続けることになって疲れてしまい、その結果、瞳孔の大きさと水晶体の厚みで視点を調節する能力が低下し、すぐ近くや少し離れたところを見分ける能力が低下してしまいます、。

すると画面の見極めが難しくなり、作業効率が急激に低下します。

これが眼精疲労です。

しかし多くの人はこれを単なる「疲れ目」というふうに思いこんでしまいます。

疲れ目と眼精疲労の違い

疲れ目はあくまで一時的な目の疲れです。

例えば3時間本を読み続ければ、目は当然疲れます。

しかしそこで本を読むのをやめて、散歩したりソファに横になっていれば、その目の疲れは自然に取れていきます。

体の他の部分への悪影響もありません。

一方の眼精疲労は、メカニズム的には目の疲れと同じプロセスをたどりますが、病的なさまざまな症状をともない、その状態が繰り返し現れて、体のほかの部分への悪影響が起こるのです。

眼精疲労の症状

目がちかちかする

いつもならまぶしいと感じない光がまぶしく感じて目がチカチカする

目のかすみ

うすい靄がかかった感じになって、小さな字がかすんで見えます。よく老眼や禁止と勘違いしやすい症状です。

目の奥の痛み

目の奥の方が高いくなります。

目のかゆみ

目のかゆみは、眼精疲労の患者さんには必ずと言っていほど見られる症状です。

作業していて無意識のうちに目や目の周りをかいたりする人がいますが、これは眼精疲労の危険信号です。

目がかゆくなる症状であるアレルギー性結膜炎と間違えられやすい症状です。

まばたきの増加

目が疲れて眼球内が低酸素状態になると、自分の意思と無関係にまぶたがぴくぴく動いてしまいます。

ドライアイ

目がはれぼったく重い感じになり、目が乾いたような違和感を覚えます。

白目の部分が赤くなり、目やにが多くなるほか、涙が出にくくなったり、逆に止まらなくなるなどの症状が起こります。

目の充血

白目の部分が赤くなり、目の周辺部がはれぼったくなります。

これらの症状が継続的もしくは断続的に起これば、眼精疲労と考えてまず間違いありません。

眼精疲労の症状は目だけでなく体のほかの場所にもさまざまなかたちであらわれます。

例えば、肩凝りがひどい、頭が重い、頭痛がひどい、いらいらする、集中力や持続力が続かない、全身がだるい、吐き気がする、よく眠れない、などです。

このうち肩凝りは眼精疲労患者のほぼ皆さんに共通する症状です。

逆にいうと、ひどい肩凝りが続いたら眼精疲労かもしれないと考えてみる必要があります。

ドライアイについて

眼精疲労の中でも、最近悩む人が多いのがドライアイです。

目がかすむ、目がちかちかする、充血するなどの症状があったら、ドライアイの可能性を疑ってみましょう。

ドライアイとは、原因になる病気がないのに、涙の量が減って目が乾く状態のことです。

目の疲れ、充血、異物感を感じるなどが主な症状です。

白目が赤くなるほか、目やにが増えたり、光がまぶしく感じたり、疲れやすくなるのが特徴です。

眼が急に痛くなることもあります。

これはパソコンなどで作業する人たちに多くみられる症状です。

長時間画面を見つめていると、まばたきの回数が減って涙が出にくくなるのに加え、オフィスにエアコンが普及したため空気が乾燥して、涙が蒸発してしまうことが原因と考えられます。

もしあなたが、

  • 目の疲れを感じる
  • 何となく目が重い
  • 白目が赤くなる
  • 目にごろごろする感じがある
  • 目の奥が熱く感じる
  • 長時間眼をあけていると涙が止まらなくなる
  • 活字がかすんで見にくい

このような症状を感じたら、ドライアイかもしれないと疑ってみてください。

ドライアイは、放っておくと眼精疲労を進行させます。

ドライアイは、医学的には涙液分泌減少症とか乾性角膜結膜炎などとよばれますが、涙の分泌量が減って、目の表面が正常な状態を保つことができなくなる症状です。

つまり目が乾燥して涙が出にくくなるのですが、涙が出なくなるとなぜ目に異常が起きるのでしょうか。

涙の主成分は、上まぶたにある涙腺から分泌されます。

感情が高ぶった時に出る涙は、生理的に出る涙とは別のものです。

生理的に常に分泌される涙の量は、1日に0.6㏄前後と微量ですが、実に大きな役割をはたしています。

  1. 角膜や結膜の汚れを洗い流し、雑菌を抑える
  2. 目の乾燥を防ぐ
  3. 眼球に栄養分を運ぶ
  4. 潤滑油として眼球の働きをスムーズにする

このように涙は、目を清潔に保ち、眼球の表面を潤し、乾燥を防ぐとともに、眼球に栄養を運ぶ大切な役割を果たしているのです。

私たちの体は、体内を循環する血液によって酸素と栄養分が細胞に運ばれていく仕組みになっています。

しかし目の表面にある角膜には血管がありません。

透明でなければならない角膜に欠陥があったら、視界を遮ってしまうからです。

しかし、角膜もカラダのほかの組織と同じように細胞でできていますから、酸素と栄養の補給は不可欠です。

そこで血液の代わりを果たすのが涙なのです。

涙は角膜に大切な栄養を運ぶ役割をはたしているのです。

涙は単なる水ではありません。

分泌された涙は3層構造になって目を覆っています。

一番内側の眼球に接し、目の表面と直接触れ合う部分が、糖やたんぱく質などを含むムチン層、真ん中の部分が涙の主成分である水分からなる水層、一番外側が油分を含む油層という3層で構成されています。

涙が目から流れ落ちる場合は、ムチン層だけが目の表面に残り、水層と油層がまじりあった形になっています。

一番内側のムチン層は、涙を目の表面に付着しやすくすると同時に、目に栄養を補給する働きを持っています。

真ん中の水層は、たえず目に水分補給する働きがあり、目が乾かないようにする役割を持っています。

そして外側の油層は大気に直接触れる部分ですが、水分が蒸発しにくいように油分が含まれているのです。

実は、この三層の働きすべてが正常でないと、涙の四つの役割を十分に果たすことができず、ドライアイの症状を引き起こすリスクが高まります。

一番内側のムチン層は、ゴブレット細胞が作り出すのですが、この細胞が傷つくと、涙そのものは分泌されても眼球全体を覆ことができなくなってしまいます。

真ん中の水層は涙腺から作りだされますが、水層の量が減ってしまうと、涙は十分な働きをすることができなくなります。

外側の油層は、睫毛の上にあるまいPO無線マイボーム腺から産出されますが、まぶたが炎症超すと、この油層をきちんと形成することができなくなります。

まばたきの役割

通常目はいつも涙で潤っているように見えますが、常に一定の割合で涙の分泌がされているわけではありません。

まばたきによって目の周りの筋肉が収縮することで、涙の分泌を促進しているのです。

私たちは1分間に15回から20回のまばたきをして涙を補給し、目の健康を保っています。

まばたきは目の表面を涙で潤す役割も同時に果たしています。

まばたきをしないと、涙は目の下側にたまるだけで全体には行きわたらないということになります。

何かを見つづけたり、熱中していると、まばたきの回数が1/4から1/5に減ることが分かっています。

この状態は長く続けると、涙を十分補給することができなくなり、ドライアイになってしまいます。

部屋が乾燥していたら、余計に涙の蒸発が早まります。

また、目が痛くて涙が止まらない場合も、ドライアイである可能性が高いです。

涙には通常の涙と、感情が高ぶった時や刺激を感じた時に出るものの2種類があります。

前者を基礎分泌、後者を刺激分泌と呼んでいます。

ドライアイで基礎分泌が減って目がダメージを受けると、外からの刺激に敏感になり、刺激分泌による涙が出やすくなるのです。

このようにウエットタイプのドライアイの患者さんが最近特に増えているようです。

このウエットタイプのドライアイはドライアイがより進んだ症状なので、このような症状感じたらすぐ眼下に行くことをお勧めします。

ドライアイによって目の表面が乾くと、目の汚れが洗い流されず、角膜や結膜が傷つきやすくなって痛みやかゆみ、異物感を感じることにつながります。

また角膜に酸素や栄養が行き届かなくなってしまい、さまざまな障害を引き起こします。

ドライアイが重度になると角膜障害を起こし、視力の低下を起こすリスクもあります。

ドライアイを防ぐために

このような恐ろしいドライアイを防ぐためには、長時間連続してのパソコン作業を避けるべきです。

目がかゆくなったり、少しでも重たい感じがしたら、作業を中止して、目を休める、涙と同じ成分である人工涙液をさすなどして対処しましょう。